茨木市議会議員・いなばみちのぶです。
大阪では8月下旬にデルタ株の大流行が予測されています。
それに伴い当然、医療崩壊が起こる可能性が高いので、今から感染拡大防止策の徹底、感染され自宅療養となった場合の備え、身近な方への連絡方法の確認等をお願いいたします。
※コロナはどれだけ用心していても感染力が強く、誰もが罹る可能性があります。
また他の疾病等で検査が必要な方は、できる限り前倒しで行っておく方が良いと思います。
私の友達が現在、コロナで入院しています。
まだ30代の男性ですが無茶苦茶しんどいと言っていました。
若い方でも「若い人は死なないから大丈夫」とは思わないように、
「死ぬかと思うくらい辛い」という罹患経験者の体験談をよくよく覚えておいて欲しいです。
また茨木市は我々市議会議員からの多くの要望を受けたこともあり、
PCR検査を保健所を通さず、市内病院での医師の判断で受けられるよう検査体制を拡充しました。
政府も大阪府もこうした感染拡大を本気で防止する気であるのならば、
まず第1にPCR検査体制を現在の100倍程度まで拡大すべきだと思います。
それが不可能なのであれば代替策として、
・プール方式PCR検査の導入を図ること
・下水道PCR検査技術の確立と早急な導入を図ること
・抗原検査を精度の高い海外製に置き換えるか、すべてPCR検査に統一すること
をやるべきだと思います。
とにかく、いつ効かなくなるかわからないワクチン(ファイザー製は半年後に効果消滅と言われている)に全て依存しているようではコロナを鎮圧できないし、コロナ以外の患者さんの生命まで脅かすことになります。
ましてや2~3カ月で変異するこの特異なウイルスに、開発に少なくとも1年以上かかるワクチンが対応できるとは思えません(万が一、開発できたとしても接種が間に合わない)。
吉村知事が「(昨年)9月には実用化できる」と大ぼらを吹いた「大阪ワクチン」は現在、影も形も見えません。
したがって台湾のように、徹底的にPCR検査を拡大し、早期発見・早期治療を実現することが必要だと私は考えます。
※徹底的というのは、陽性者1人あたりの検査数を1000人レベルまで引き上げることをを言います。現在はせいぜい20人程度で世界中でも最も下のレベルです
※PCR検査も1~10%程度の偽陽性・偽陰性があるというデータがありますが、専門家の方によると検査レベルを今の50倍~100倍にしてしまえば、ほぼ関係なくなるそうです
もちろん反論もあると思うのですが、経済活動や人流を抑制し、それに対して補償を払うことを繰り返すより、
PCR検査を拡充したり、またPCRの精度を高める研究や安価でできる検査キットの開発にお金を使った方が、人への負担が軽く、はるかにコストパフォーマンスが良いと思うのですが。。。皆さまはどう思われますか?
「コロナはただの風邪」と言いながら微熱でPCR検査に駆け込んだり、入院した有名人もいるようですが、本当に無責任というか情けない限りだと思います。
さて、本題です。
かなり長いので目次を先に書かせていただきます。
1.大阪府の医療提供状況
2.茨木市のコロナの状況
3.大阪府のコロナの状況
4.ワクチンの状況と大阪の今後のシミュレーション
5.年代別感染者数の推移(第3波~第5波)
6.大阪府内各市のコロナの状況
7.人流の変化
東京では連日3000人を超える感染が報告されており、
ついに大阪にも緊急事態宣言が発出されることになりました。
<1.大阪府の医療提供状況>
大阪府のHPで病床使用率などが日々報告されている(https://www.pref.osaka.lg.jp/default.html)ので、ご参考にしていただければと思いますが、
7/31現在で
・病床使用率(対確保病床数) 31.1 %
・重症病床使用率(対確保病床数) 23.8 %
となっています。
ただ、この「対確保病床数」というのがクセモノです。
「確保病床数」というのは、実際に使われている病床数ではなく、
将来的に使うかもしれないベッド数を入れた形式的な数字です。
ご存じの通り、コロナでご入院されておられる方には、複数人の看護師さんがつきっきりで看病してくださいます。
つまり、「1つの確保病床+複数の看護師さん」=「1つの運用病床」となるわけです。
ただ看護師さん不足は皆さまご存じの通りで、「運用病床」というものは、すぐに作れるものではありません。
大阪府が第4波が押し寄せている3月頭に、この「運用病床数」を減らしたことは事実で、吉村知事は「確保病床は増やしている」と強気な発言をされましたが、事実上これが大阪の医療体制の崩壊につながりました。
過去のことはともかく、吉村知事も反省したのか、
大阪府のHPには「対運用病床数」でのデータも掲載されています。
それによりますと、
<運用率>
・重症病床 24.3 % ( 76/ 313) ※確保は 587
・軽症中等症 45.0 % ( 887/1971) ※確保は 2510
・宿泊療養施設 54.7 % (1711/3130) ※確保は 4076→8月中旬に6,000まで増やす計画
と記されていました。
これを見ると大阪府内の療養者の実数が把握できると思います。
人口880万の大阪でも、重症病床はMAX600弱程度なのか。。。と思うと、8月下旬ごろにくるであろう第5波のピークに耐えられるのだろうかと心配になります。
※他自治体の数倍である23.5億円の税金を投じて作った大阪コロナ重症センターは、当初60床で運用されるはずだったのですが、4月の時点で30床しか完成していませんでした。
その残りの30床を建設したのかどうかはわかりませんが、
4月時点の全重症確保病床数が224床であったことを考えると、努力はされているのだろうと思います。
その点、今回の政府の緊急事態宣言の大阪発出は、素早い対応だったかと思います。
ただ、また飲食店や百貨店などの事業者の皆さんや、夏休み中の子どもたち、ずっと自粛を強いられている方々のことを考えると暗い気持ちになります。
今回、コロナデータを集計していて思ったのは、
「どうやらワクチンは、重症化防止と死亡者減少に効果を発揮しているようだ」
ということです。
※医学的なデータを見ていないので、あくまで個人の感想です
さて、では順番に数字を追いかけていきたいと思います。
<2.茨木市のコロナの状況>
まず我が茨木市の状況です。
6月にほぼ鎮圧できたので喜んでいたのもつかの間、激増しています。
大阪市内に働きに行かれる方が多いのでしょうか。。。
大阪の感染拡大に比例してドンッと増えます。
茨木市では、福岡洋一市長が私たち議員からの強い要望に応えて、PCR検査体制の拡充をはかりました。
今までは保健所を通してしかPCR検査を受けられなかったのですが、市内の病院で医師の判断がおりれば、郵送でのPCR検査を受けられるようになりました。
<3.大阪府のコロナの状況>
次に大阪府全体の状況です。
11月半ばまでは個票と呼ばれていた「発症日」「年代」「居住地域」などが個別に記されていたものが出ていたので、
「報告日」と「発症日」がずれていても修正がきいたのですが、
11月16日以降はそれがなくなってしまったので、
いつ発症されたのかわからず、データ同士の比較に支障をきたしています。
※個票データを調べてみると、昨年11月時点では平均的に「発症日+5日=報告日」となっていました。
データ不足で十分には検証できないのですが、一般的に
●感染日→発症まで5~6日
●発症→陽性確認まで当日~2日
●発症→死亡まで18日前後
といわれています。
※大阪府のコロナ会議資料には発症から陽性確認まで7日と書いてありますが、現在は1~2日くらに縮まっているのではないかと思います
なお大阪府は「死亡日」を発表していますので、
私としてはこれを基準に「死亡日-18日-5日」を「感染日」と仮定して統計を取っています。
※例えば第5波は6/21~ですので、死亡日が7/13以降の方は、第5波で感染し亡くなられたのでカウントし、7/12以前に亡くなられた方は第4波にカウントしています
ただし「陽性者数」と「重症者数」は、報告日ベースでしか確認ができないので、報告日ベースでカウントしています。
これを見ますと(以前は報告日ベースで表を作っていたので、死亡日基準で換算した第4波のデータも載せています)、
第4波の約3カ月半で、コロナに罹患し亡くなられた方は1,423人(対期間陽性者率で2.6%)です(うち70代以上が1,231人)が、
第5波の約1か月でコロナに罹患し亡くなられた方は13人(対期間陽性者率で0.1%)となりました(うち70代以上は9人)。
数値を見ても明らかなように、70代以上の方の重症化・死亡者数が激減しています。
<4.ワクチンの状況と大阪の今後のシミュレーション>
大阪でもワクチン接種が進んできており、
大阪府によりますと、65歳以上の方について
・1回目接種 81.1%
・2回目接種 67.3%
ということでした。
これは何に対してのパーセンテージなのか、資料に書かれていませんので推測するしかありません。
大阪府では事前アンケートで「6割の方がワクチン接種を希望するだろう」という予測を立てており、茨木市もこれに準じる形で準備を進めていたと思います。
おそらく上記の進捗率はこの「65歳以上の方の6割がワクチン接種を希望されるとした場合の接種率」ではないかと思います。
ちなみに大阪府880万人に対する接種率は
・1回目 32.02%
・2回目 21.64%
となっています。
一方で、イスラエル保健省の発表では、ファイザー製ワクチンについて、
・感染を防止する効果が39%に低下
・重症化を防止する効果は91%
等の分析結果が発表されています。(https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/07/16bdadf02845ac35.html)
大阪における感染経路については不明が非常に多いのですが、高齢者施設関連の感染が大きく抑制されており、
大阪府における重症化・死亡者の激減の原因は、おそらくはワクチンの効果ではないかと思われますが、
「ワクチン接種したから感染しない」というわけではないことに注意が必要だと思います。
引き続き、マスク着用や手洗いうがいなどの感染防止対策の徹底をよろしくお願いいたします。
ひとつ気になることがあります。
大阪府のコロナ対策会議の議事録を見ますと、
大阪府内では第4波のアルファ株から、いま東京で流行しているデルタ株への置き換わりがまだ3割程度ということでした(他の都心部では約8割)。
つまり、感染力が1.5倍と言われているデルタ株への置き換わりが進んでいないにもかかわらず、東京と同じスピードで感染が拡大しており、
ワクチンの効果は一定出ているようにも見えるものの、
8月末から9月にかけてデルタ株への置き換わりが完了したとき、感染状況がどうなっているかわからない、ということができると思います。
これは大変憂慮すべき事態だと思います。
大阪府でもこのことは認識しているようで、8月20日にピークがくると予想しているようです。
※感染力が1.5倍と言われるデルタ株ですが、担当者が奇しくも漏らしたように1.5倍でシミュレーションするとどえらいことになる
この1.1倍シミュレーションでは、何とか重症病床はあふれずに済みますが、
軽中等症ベッドと宿泊療養施設受け入れはまったく足りなくなり、
ふたたび医療体制が圧迫されることが予想されています。
いずれにしても、医療崩壊の危険性は高いと考えておくべきだと思います。
ですので、大阪府の皆さまは、どうか不要不急の外出・旅行等はなるべくお控えいただき、このグラフのピークをなるべく低く、そして先送りできるようにご協力いただきたいと思います。
話が広がりすぎて収拾がつかなくなりそうですが、何とか軌道修正します。
<5.年代別感染者数の推移(第3波~第5波)>
昨年11月16日から、大阪府では個票の公開が中止となったので、年代別の発症日がわからず報告日のみで観るしかなくなったのですが、
それを全部集めて集計してみました。
念のため、第3波は11月2日からのデータ~2月28日まで、第4波は3月1日~6月20日、第5波は6月21日~現在という形で集計しています。
※統計の数字が実際のものとずれていますが、これは大阪府発表の統計がしばしば後から修正されるため、どこが修正されたのか自力で追い切れていないためです。ただし1000人レベルでずれていることはないので、大局を把握することには差し障りないと思います
表を見ていただいたらわかりますように、
やはり50代以上は感染者の占める割合が減少しています。
これは大規模接種・職域接種を含めてワクチン接種が進んでいるためと考えられます。
当然ながらそれに反比例して子どもから40代までは割合が増えています。
1日あたりの感染者数を見ると、第3波(ただし11/1~のみ)並みの感染状況です。
奇しくも1日あたりの感染者数が第3波と同じ「285人」となりました。
第3波の年代別1日あたり陽性者数と比較すると
~10代 29人→43人
20代 56人→91人
30代 37人→48人
40代 38人→45人
50代 39人→35人
60代 27人→12人
70代 29人→ 6人
80代~ 30人→ 5人
※大阪府の人口統計は5歳刻みしかないので、未就学・就学児童と80歳以上はまとめました
となりました。
やはり児童から10代・20代・30代の方が激増していると言えると思います。
<6.大阪府内各市のコロナの状況>
次に大阪府内各市の状況です。
やはり大阪市内が圧倒的ですね。。。
人数的に茨木市は高槻市と並んでいます。
ネットで人気の寝屋川市長がいる寝屋川市の感染が拡がっていますが、どうしたことでしょうか。
人数だけ見ていても、そもそも人口規模が違うので、人口比を見比べるべきかと思います。
ワースト1:大阪市 1.9%
ワースト2:東大阪市 1.4%
ワースト3:守口市 1.3%
大東市 1.3%
ワースト5:門真市 1.2%
八尾市 1.2%
高石市 1.2%
なんか、維新の市長がいるところが多いような気がしますが。。。?
<7.人流の変化>
最後に人流の変化についてです。
スマホ製造メーカーが世界各国の移動データを公表していますが、
日本全体と、今回、緊急事態宣言が出される都市をピックアップして比べてみました。
このデータは、コロナ前の2020年1月13日(月)を「100」として、各移動手段別にどれだけ増減しているかを表したデータです。
これによると、ワクチン接種開始前は、車移動こそコロナ前を上回っていたものの、徒歩移動と公共交通機関等を用いた移動はかなり抑制されていました。
やはりというか、ワクチン接種が進んだ本日では、激増していました。
ただ車利用での移動が主であり、コロナ感染防止の意識が見えます。
緊急事態宣言中の東京都は若干ブレーキが利いているようにも見えますが、
おそらくあまり効果が発揮されていないと思われます。
街頭インタビューの報道もありましたが、これだけ緊急事態宣言が発出されると、何が緊急なのか?人々の意識に混乱が生じてしまうと思います。
やはり台湾のように、一発できっちりコロナを仕留めた方が良かったのではないかと思う次第です。
いずれにしても、「ワクチン接種が終わったから、もう大丈夫」と思っておられる方が一定いらっしゃると思われます。
また現在、1人の感染者が何人にうつすかという指標である実効再生産数は、大阪で「1.44」で、爆発寸前と言えます。
くどいようですがワクチンによる感染予防効果はそこまで大きな期待は持てませんので、引き続きの感染拡大防止策の徹底をお願いいたします。
また茨木市では8月8日からワクチン予約受付&接種の再開を予定しています。
当初、大阪府が出してきた「ワクチン接種希望者は高齢者の6割」という方針が大きく狂い、茨木市では既に高齢者の70%、高槻市ではもっと多くの方がワクチン接種をされておられます。
報道の仕方や政府の答弁などを聞いていると、国民全員に接種を受けるように持っていきたいというような意図が感じられます。
とすると、この大阪府の「接種希望者は6割」という方針は見直さなければならないと思います。
冗長になりましたが、今回はこれで終わります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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