衝撃−「大阪の成長」実は「大阪の低調」だった

こんにちは。茨木市議会議員のいなばみちのぶです。

『0.6』『34位』

みなさま、これは何の数字だと思われますでしょうか?

単刀直入に申し上げます。

これは府市首長ダブル選挙で維新が両方で勝利し、大阪府知事と大阪市長を独占、さらに府議会で過半数、大阪市会で第1党となった時点から6年間の
「大阪の成長率」の平均と、全都道府県中の「大阪の順位」です。
つまり純然たる「維新の功績」があらわされた数字です。

私もダマされていました。

「大阪の成長をとめるな!」という勢いのあるポスターに押され、また日経平均の伸びで景気の回復をなんとなく感じていたため、「大阪もずいぶん成長しているんだなぁ」と思いこまされていました。

つい昨日、”47都道府県の「県民経済計算」を最新データをひとつずつダウンロードしてExcelに貼り付ける”という原始的な方法で、
全国で同一形式で公開されている公的な一次資料をチェックをしてみたところ、、、

なんと!

「全国平均 0.9」を下回る、
「大 阪  0.6」という数字が弾きだされたのです。

これには正直、ショックを受けました。

さらに近隣の他府県を見てみると、

「京都 1.2」
「兵庫 1.1」
「奈良 0.7」

な、奈良にすら負けている?!(奈良の方ごめんなさい?)

そんなバカな。デマに決まっている。各都道府県が公表したデータがデマなのだ!
、、、と思うわけがないのですが

「いや待てよ、大阪は2重行政を解消したんだから、成長しているはずだ。
他の政令市を抱えている県は2重行政に苦しんでいるはずだから大阪よりも成長できていないはずだ」

と気を取り直して、政令市を含む県だけでプロットしてみました。

「宮城(仙台市) 3.0」
「愛知(名古屋市) 1.7」
「京都(京都市) 1.2」
「兵庫(神戸市) 1.1」
「熊本(熊本市) 1.1」
「埼玉(さいたま市) 1.0」
「千葉(千葉市) 0.9」
「広島(広島市) 0.9」
「神奈川(横浜市・川崎市・相模原市) 0.8」
「福岡(福岡市・北九州市) 0.8」
「大阪(大阪市・堺市) 0.6」
「北海道(札幌市) 0.5」
「静岡(静岡市・浜松市)0.5」
「新潟(新潟市) 0.3」
「岡山(岡山市) 0.3」

うっっ。。。下から5番目て。。。


何とか僅差で北海道と静岡を交わし、新潟県と岡山県の倍の成長率があったことで、小さいプライドだけは守れました。

もうひとつ事実を提示しておきます。

47都道府県の「県民所得の増加率」では、
「大阪 1.2」「第32位」となっています。

「(政令市を抱える都市の)県民所得の増加率では、

「宮城(仙台市) 3.2」
「愛知(名古屋市) 2.4」
「千葉(千葉市) 2.1」
「広島(広島市) 1.9」
「兵庫(神戸市) 1.9」
「埼玉(さいたま市) 1.8」
「京都(京都市) 1.8」
「熊本(熊本市) 1.7」
「北海道(札幌市) 1.4」
「福岡(福岡市・北九州市) 1.4」
「神奈川(横浜市・川崎市・相模原市) 1.3」
「岡山(岡山市) 1.2」
大阪(大阪市・堺市) 1.2
「静岡(静岡市・浜松市)1.2」
「新潟(新潟市) 1.2」
※参考 「東京 1.2」

なんと、同率最下位でした?
道理で「暮らしが楽になった」って話を聞かないわけです。
ギリギリ少しだけでも伸びていたのが不幸中の幸いでした。

しかし、おかしいですね。
大阪市を廃止して目指そうとしている東京の都民所得も、
大阪以下の「第35位」でした。
あれ?特別区になれば、デメリットはなく、全てがうまく回ってものすごく豊かになるのではなかったのでしょうか?

2重行政が解消されたことで大成長を遂げていなければならない大阪が、
いまだに2重行政に苦しんでいるはずの15道府県中、
下から5番目の成長率』という事実。
さらには府民所得で同率最下位という事実。

これはいったい何を意味するのでしょう?

つまりそれは、「2重行政の解消をしても、経済成長には大してつながらないし、府民の財布は膨らまない」ということではないのでしょうか。

もっと言えば、この間の「大阪の成長」は、単にアベノミクス等で全国的に景気が上がった影響を受けて、自然に上昇しただけのように私は感じます。

いま、大阪では「大阪市を廃止して、二度と2重行政を生じさせないことで大阪を成長させる」ということをウリに住民投票をしているようです。

この主張が大阪市廃止の本意だとすると、『下から5番目の成長率』の説明がつきません。2重行政の解消は、現実として経済成長に大きな影響を与えているとは言い難いからです。

正確な試算はまだありませんが、少なくとも2011年以降約10年間にわたり、職員を都構想業務に従事させ、その職員給与や調査費用、会議費用、会議に参加した議員の時間給換算、2015年の第1回目住民投票、嘉悦大学への業務委託、今回の第2回目住民投票etc…
諸々を金額換算してトータルすると、おそらく数百億円に上る可能性があるのではないでしょうか。

もしこの10年間で都構想に費やした税金やマンパワーを、都市インフラの整備や経済対策、教育施策、福祉施策に振り向けられていたら、
はたして我らの大阪は「成長率 全国34位」という下位にあまんじていたでしょうか。

コロナ対策で言えば、大阪市の持つ貯金・約1500億円を1/3でも取り崩してPCR検査体制の充実や病院施設、人工呼吸器調達等に使っていたら、
12,437名もの感染者、237名もの死亡者が出ていたでしょうか。

大阪市廃止を問う住民投票が告示されたのが12日。
新型コロナウイルスの影響が発現する約2週間が経ち、
大阪の感染者数は

10月27日 142名
10月28日 117名
10月29日 125名

と、3日連続で3ケタを記録しました。

なぜこの時期に不要不急の「大阪市の廃止を問う住民投票」を、危険をかえりみず実施しなければならなかったのか。
私はそれが残念でなりません。

「政治家の任期」を理由に、インフルエンザも流行りだすこの時期に、
あえて大勢の方を巻き込んだ住民投票を実施する必要性が本当にあったのか、
まったくもって不明であるということは強く申し上げておきたいと思います。

しかし始まってしまったものはしょうがない。
義を見てせざるは勇無きなり。
しかし、こんな住民投票には「反対」と書いて欲しいと思います。
(「×」や「NO」は無効票になりますので、絶対におやめください)

11月1日、大阪市民の良識が示されることを心から祈っています。