【集計データ公表】~2/28(懸念あり)

茨木市議会議員のいなばみちのぶです。
定期的に公表しております、コロナ第6波の集計データをUPしていきたいと思います。

ただ、1点、懸念していることがあります。

吉村知事の発表している数字を、果たして信用して良いのか?
ということです。

理由のひとつは下記の図です。

現在、大阪府では1月31日以降、
「濃厚接触の可能性があっても、無症状の場合は、原則検査させない」
というスタンスです。
そしてそういう方は「自主的に7日間待機」することになっているとのことです。

「濃厚接触の可能性がある」ということは、一定の陽性の可能性があるということです。

それを「検査しない」となると、どうでしょうか。

日本人は真面目なので、多くの方が「自分は濃厚接触者の可能性があるから、自主的に7日間待機しよう」となるでしょう。

しかし「会社(家族)に知られたくない」「仕事を休むわけにいかない」という方も、出てくる可能性もあるわけです。

そしてさらに怖いのは、大阪府はこれらを抜いた数字で報道発表したり厚労省へ報告しているので、
必然的に新規陽性者の数は抑えられ、
府民や厚労省「大阪の第6波は終息しつつある」と誤解をしかねない、ということです。

感染症を抑え込むには「府民・市民の皆さまの行動変容」が必須です。
ここに陽性者数の誤った情報を与えることになりかねないことに、私は大きな懸念を抱いています。

ちなみに大阪府の陽性者数のオープンデータを3種類比較してみたのですが、いろんな数字が存在します。
①大阪府新型コロナウイルス感染症特設サイト  https://covid19-osaka.info/
②大阪府報道発表データ https://www.pref.osaka.lg.jp/iryo/osakakansensho/happyo.html
③厚生労働省オープンデータ  https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html

単純に横に貼り付けて差異を計算しただけなのですが、真ん中の陽性者の数だけ厚労省データだけ1万ちかく異なっています。その原因はいまのところわかっておりません。

前述したように、大阪の陽性者数は、真の陽性者数より低く抑えられている可能性が大です。
ただし、死者数だけはさすがに独自基準はなく、この数字だけは信用できると思われます。

さらに、大阪府は「重症者数」に関して、独自基準で厚労省に報告を行っている(厚労省へ確認済み)ため、全国の数字に照らして比較することができない状況です。

そういう基準の集計データを公表することに一抹の不安を覚えるのですが、
いままでずっとやってきたことですので、
こういう前提がある、ということをお知らせしたうえで発表していきたいと思います。何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

では、まず大阪府の全体の状況から。

亡くなられた方の数をデルタ株の第5波と比較すると、
(未)就学児  0人→0人
10代    1人→0人
20代    0人→0人
30代    3人→0人
40代   19人→4人
50代   39人→8人
60代   42人→25人
70代   73人→139人
80代  107人→295人
90代   31人→198人
100代   3人→15人 
合計   318人→684人
となっています。
傾向は明らかで、総数が倍以上に伸びていますが、原因は70代以上の方の亡くなられた方が圧倒的に増えているためです。

致命率は大阪は0.19%で、東京は0.08%です。
※地名率は、死亡者数÷陽性者数で計算しますが、コロナ以外の要因で亡くなられた方の数字が大阪・東京ともに入った数字での計算結果となります

続いて年代別の感染者数です。

何度も書いて恐縮ですが、これらは「抑えられた数字」でこれです。

次に茨木市の状況です。
なんと2月だけで去年の2倍以上の新規感染が確認されました。

最後に大阪府内各市の状況です。

ここで不可解なことが起こります。
右欄の下から2番目の「調査中」という欄をご覧ください。
合計が「83174人」となっており、第6波では「82764人」となっています。

少し戻って年代別感染者数の一覧をご覧ください。
「20346人」となっているのがおわかりでしょうか。
この差の約62000人は何の数字なのでしょうか。
(追記)20346人は「年代調査中」の数なので、各市向けの統計には関係ないかもしれません

では大阪市のHPを見てみましょう。

陽性者数の累計をご覧ください。
「248576人」となっています。
これは3/1のデータですので、3/1の新規陽性者数である「2591人」を差し引く必要があります、
すると、「245985人」となります。

上の「大阪府内各市の状況」での「大阪市」の2/28時点の数字は「171174人」ですから、そこに第6波の不明数「82764人」を全部足すと、「253938」人となり、かなり近い数字になります。

ではなぜ、大阪府発表データでは「171174人」とされているのか?
これは府内各市と比較されると、大阪市が突出しているとみられるのを避けるためなのではないか?などど勘ぐってしまいます。

そして大阪府発表の「171174人」で計算すると、大阪市の人口に対する陽性者比は「6.4%」で、他市と比較しても決して高い値ではありません。

しかし、大阪市HPの「245985人」を当てはめると、
大阪市の第6波の新規陽性者数は「157086人」と府内でぶっちぎりの数字になり、
陽性者数累計の対人口比は「9.1%」と約10人に1人が罹患経験を持つという、全国の大都市でも稀な高さを示すことになります。

本来、同じ基準でカウントすれば、すべての数字は1つずつしか存在しえないはずです。

しかしながら発表媒体によって数字がコロコロ変わり、同じ大阪府内の数字ですらこの状況です。

医療や保健所が崩壊している大阪市発表の数字より、大阪府の集計数が下回るのはどういう理由なのか、まったく想像がつかないのですが、どなたかご存じでしたら教えてください。
こちらでも引き続き調査していきたいと思います。

みなさんはこういうバラバラな数字を日々発表している大阪府や大阪市を見てどう思われますか?

行政職員はものすごくがんばっておられます。
もちろん医療関係者や特に深夜まで働き続けている保健所職員の方も、
命を張って奮闘しておられます。
なので少々の数字の差異をどうこう言うつもりはありませんが、
大阪府の発表と大阪市の数字、また国の数字が大きく違うと、
いったい何をもとに統計的判断をしたらよいのかわからなくなってしまいます。

そんな中で、人口の約10%がコロナに罹っている大阪市の松井一郎市長の公務日程は「公務なし」が平日でも並びます。
https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000329708.html

市民をコロナから守らず、部下を死ぬ思いで働かせておいて、高給取りのご自分は十分休養をとられておられるのでしょうか。
野党批判のTwitterさえしておけば務まるなら大阪市長って誰でもできそうですね。
コロナでご家族を亡くされた方や事業をたたまざるをえなくなった方は、これを見てどう思われるのでしょうか。

ではまた次回。